小説家になろう いっそ、悲劇だったらよかったのに 「愛している。カレン」 そう言って私の夫は息を引き取った。最期の言葉は若くして亡くなった前妻への愛の言葉。今の妻である私には一言もなし。 そんな彼の死に顔を見て、私は恨み言を呟く。 ――ここで終わっていれば、悲劇だったのに。 何の因果か、私は記憶を持ってもう一度同じ生を歩むことになった.... 著者 : 一辻 雨紡 2024.04.24 小説家になろう